人様のコンテンツの話

記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。

ポスティングはNPB管轄にしたほうが良くない?

去年は筒香、山口。
その前も菊池、牧田、大谷、前田、田中、ダルビッシュ

ポスティングを球団に認められ、彼らはメジャーへと旅立った。
それ自体は素晴らしいことだ。
今年も菅野、有原、西川が表明している。コロナ禍で先行きは不透明だが、頑張ってほしい。

さて、これらの選手は皆、チームの顔と呼べる選手だ。
それ相応の実力をNPBで発揮し、まさにメジャー級の選手となったわけだ。

ソフトバンクとポスティング

一方でソフトバンクの選手はメジャー入りを希望していても、現状海外FA権取得まで待つしかない。その間に年齢的なピークを迎えてしまったとしても。
メジャー挑戦の夢へ…ソフトB柳田「3年契約」の意味 | 東スポのプロ野球に関するニュースを掲載
ソフトバンク柳田7年契約で米挑戦封印「僕の運命」足りなかった10日間|【西日本スポーツ】
柳田はメジャー挑戦の夢を持っていたが球団がポスティングを認めなかったことと自身の怪我が重なり、その夢は叶うことがなかった。怪我をしてなければ海外FAが取れたかもしれないが、そもそも打者で30歳を超えてからの挑戦はかなり厳しい現実がある。

ソフトB千賀、ポスティングでメジャー直訴 契約更改時球団に要望していた|【西日本スポーツ】
ソフトバンク、ポスティング移籍に一定理解 千賀が容認を希望 - サンスポ
千賀は2017年からポスティングを希望しているが、未だ現実にはなっていない。
海外FAのころには30歳。投手は30歳過ぎてからの移籍でも活躍した実績のある選手は野手に比べると多い。それでも過ぎた時間は戻ることはない。

年齢という壁

プロ野球選手に限らず、スポーツ選手にとって年齢というものは大きな財産だ。
特に一番の大舞台で戦いたいという夢を持っている場合、自身の肉体的全盛期にその舞台に挑戦できるか否かは、人生を左右する。
若いうちに挑んで失敗したらまだしも、30過ぎてから挑戦して失敗した場合「もっと若いころに行けていたら」なんて想いは自然と湧き出てしまうものだ。

現状の海外FA制度では、どうしてもピークを過ぎてしまってからの挑戦になりがちだ。
イチローも、ポスティングで27歳からの挑戦だった。
松井秀喜は海外FAだったが、メジャー初出場時(03年3月)は28歳だった(同年6月で29歳)。このぐらいの怪物でなければ、海外FAとピークが重なることはありえない。むしろ松井はさらに数年早ければもっとメジャーで活躍出来ていただろう。

選手の移籍に関する制度の見直しの先延ばしは既に限界

ドラフトやトレード、FAといった「選手の獲得と放出」に関わる制度はどれも12球団が同じ基準で動いている。しかしポスティングだけは各球団に任されている。
戦力の均衡を目指すのであれば、11球団からメジャー級選手が手放され1球団は手元に残している現状は歪であり、均衡が取れているとは言えない。

ならばポスティングシステムも球団ごとに取り決めるのではなく、NPBが管轄すべきところに今あるのではないだろうか。
ただ、さすがにポスティングそのものをNPBが扱うわけには行かない。
ならば、そもそも海外FA権の取得年数、さらには国内のFA移籍に関しても、制度の抜本的な見直しを一刻も早く行うべき時なのではないか。
選手会NPBの話し合いが行われては、平行線で話がつかず。そんなやり取りを一体何年続けるのか。

1ファンとして、日本のプロ野球が盛り上がってほしいのは間違いない。
そのためにメジャーに選手がどんどん行ってしまったら寂しいところもある。
しかし、ポスティングでどんどん出ていく時代にもはや突入しているのだ。
ならば、早めに挑戦ができる仕組みを作り、若いうちに挑戦。メジャーで活躍してもしなくても、30代前半でNPB復帰が出来るようにしたほうがNPBも盛り上がるのではないだろうか。

夢とは何か

将来的なメジャーリーグ挑戦を希望している選手は、ソフトバンクにドラフト指名された時点でその夢を断たれることが半ば決定付けられてしまう。
それはあんまりじゃないだろうか。

2020年のNPBのスローガンは、『野球の夢。プロの誇り。』
NPBスローガン | NPB.jp 日本野球機構

プロ野球選手という夢を掴んだ選手が、そのさらなる夢を制度や球団によって断たれてしまう。
その姿は、子どもたちに『夢』を見せられているのだろうか。

そんなニュースを聞かなくて済む未来が、少しでも早く来てほしい。






余談

こんな事を日本シリーズが終わったあとからずっと考えてて、ほぼ書き終わって検索かけてたらちょうど昨日、上原さんに先を越されていました。
「上原はワガママ」と叩かれてから15年…球団ごとに違うポスティング移籍容認に今こそ統一ルールを!(上原浩治) - 個人 - Yahoo!ニュース
上原さんは34歳からの挑戦。結果としてワールドシリーズ制覇まで導いた選手にまで登り詰めましたが、人一倍メジャー移籍について思うところがあるでしょう。


日本シリーズのあと、「なぜ強いか」って記事とか動画はたくさん上がりましたけど、「戦力を放出しないから」「他球団のメジャー級選手はいなくなるのに、1球団だけ残ってたらそりゃ強いでしょ」って、誰も言わないのが不思議だなって。
育成からのし上がる選手の多さ、お金の使い方、地域密着、野球脳の高さ、その辺は圧倒的に上手いよ。だから強い事も十分理解してる上で、それでもね。

柳田と千賀に限らずソフトバンクのメジャー希望選手がメジャー移籍していたらどうだったか。
逆に大谷や田中が海外FAまで日ハム、楽天に居続けたらどうだったか。
それを考えてみると、ここまで圧倒的にソフトバンクが強いということにはならなかったのではないか、と私は思ってしまうんです。