人様のコンテンツの話

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Goodbye Innocence

が、好きすぎて。

私がどう感じているか、を書きますね。
解釈は人それぞれ無限大!

初めて聞いたときは頭の流れから「そうでしょう?どうでしょう」まで持っていく展開と、音と歌詞の響き方がすごく好きだなと感じた。

その後聞けば聴くほど胸がしめつけられる。

新しいものは全部出尽くしちゃってるようで
新鮮なものを欲し あれやこれやと手を出す
みんなが褒めてるものがわからない
死んでいるのはこちらの感性
明日晴れてたらどこか 出かけてみるのもいいな
心の風が凪いでしまったから

みんなが褒めてるもの、ほんとにわからないんだ。
世の中で流行ってるもの。良いかもしれないけど、好きにはなれなくて。
同じものを好きになっても、同じ理由で好きになってる人はいなかったり。
世の中が変わったわけじゃないって薄々わかってはいて。自分のほうが世界に適合出来てないんだって。
どれもこれも、「あれの焼き直しね」とか「あれを現代的にアレンジしたのね」とか、何を見ても新鮮味を感じないの。「出尽くしちゃったんだなあ」って。

それは自分が年老いたから。日常に楽しみがなくなったから。という受け止め方を私はしている。
それは2番で

幼いころはたくさん 好きなものがあっただろう
心には風がいつも吹いてて

という対比があるからなおさら。

本当に。たくさん好きなものあった。風が吹いてた。
楽しかった。
今は?
……。それを感じさせられることが一番、この曲で心が揺れ動いている部分。

心の風が凪いでいるなら出かけなくたっていい。
でも、晴れてたら出かけてみるのもいいなって、むしろ凪いだからこそそう思える。


そして一方、「大切な人を失った」から「心が凪いでしまった」という解釈をしても成立する。人それぞれ受け取り方は違いそうだなあと思っている。

AメロとBメロがとても内向的で自分一人で完結する一方、サビは「きみ」とのことを切なく歌い上げる。
ただ、サビは咀嚼しきれてないので語れません!

楽しいことたくさん見つけたんだ 聞いて

ただここだけ。
君がもういないにしても、これからいなくなるにしても、
この「聞いて」という想いはとても切ない。

ファッションのように精神病を語ったりするな 本当の生きづらさも知らないで

「鬱だー」とか「病んだー」とか、口癖のように話したり、プロフィールに書いたりする人いっっっっぱいいるじゃないですか。
それを「ファッション」と形容するのは言い得て妙というか、すごく得心が行く。
そんな人達にとっては自分を着飾るための道具になっちゃってるんですよね。彼ら自身は多少なりとも「つらい」部分があるのは間違いないんでしょうけど。本来そんな軽いもんじゃない。
アピールする余裕があるだけまだ、アピールしてかまってもらえてるだけまだ、ね。

そして私だって、好きなもの無いとか心が凪いだとかそういう部分に共感してこの曲が好きってことは、どうしたって矛盾している。
そんな簡単に心は凪いだりしない。私もまた、そういう人間の一人。

へらへら笑ってないで ちゃんと生きてみませんか
きっとそれなりに良いことも待つさ

2番Aメロは、How-Low-Hello、Satsubatsu Kidsと歌われた「Real」の系譜を強めに感じる。
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そういう人間に対するアンチテーゼのような。

ひとりでいるのが好きと ひとりでいるのは違う
ひとりぼっちには誰もなりたくないだろう

幼いころはたくさん 好きなものがあっただろう
心には風がいつも吹いてて

「一人でいるのが好き」も自分を着飾るような言葉。
それは一人じゃないことを知っていてかつ、その言葉を伝えられる誰かがいるからこそ出てくる言葉。
一人ぼっちで一人でいることは知らない言葉。

そういう想いは、そういう人たちにはきっとわかってもらえないんだろうなーとか。
ああ、子供の頃はそういうことも何も気にしてなかったのになーとか。
2番は一気に畳み掛けてくる。

Bメロの旋律にこんな歌詞乗せられたら泣きそうになるほど感情が高ぶってしまう。

四季だけが移ろい行く 桜が教えてくれる
でもまだこんなところで 立ち尽くしてる
風が刹那吹きつけた 僕も歩き出す頃だ
怪我だけはしないように 気をつけて

この曲を聴いてる私は「立ち尽くしてる」からこそ、ここまでに共感していて。
でもこの曲の「僕」はそこから歩き出そうとしている。
それがとてもポップで良い。希望がある。

「きっとそれなりに良いことも待つさ」「怪我だけはしないように 気をつけて」という言い回しは
Burn My Soulにおける
「あまり無理をせずやりましょう」と近い匂いを感じる。
茅森らしさかな。

この曲はゲームであるヘブバン内のバンドが生み出した曲。
劇中歌であり、その位置付け、関連イベントからも蒼井を連想する方も多いと思う。

ただ私は、この曲はこの曲単体として好きだ。
日常に溶け込み、普遍的に聞けるような曲だと私は感じているし、だからこそ好きだ。
というか、She is Legendの曲はどれもそう。
キャラクターのために作った曲ではなく、キャラクターが作った曲。
だから、生っぽい。
言葉が生きる。
あの世界には普通に存在する歌で、それはこっちの世界にも存在し得る。

この記事は本当にただ、私がこう感じているってだけの話。
他の人がどう思ったのかはわからない。
作者がどういう思いで作ったのかもわからない。
全くもって見当違いかもしれない。

ただ生み出された音楽に、勝手に自分の気持ちを乗せて感動した。
そんな体験が出来たことがありがたい。

余談

Bメロ聴いてて本当に気持ちいいんだけど、歌おうとすると高音すぎて全く出ないのが悲しい。
XAIさんと鈴木このみさん、お二人の歌唱もあってこそ、なおさらこの曲が引き立っていることを感じられる。
サビで二音ずつパート分けしたのも「二人ならでは」の良さが出ていて、本当に素晴らしい。


心が枯れた気になっていても、こうして好きなものが新しく出来ることもある。
それを誰かに聞いて欲しいとも思う。
そうして生きていく。