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M-1グランプリ2020について蛇足

一応書いてはいたんですけど、下書きに保存したまま21年の8月になってました。供養記事。本文は昨年末に書いたままです。

2回戦

2回戦の公式動画消えてるやん……。全ネタ見る記事が①で終わったのは見れなくなったからです。何月何日まで公開とか書いといてよー。
大阪の何十組かしか見れなかった。ここにさらっと書いちゃおう。

祇園、もうちょい。
ジソンシン、ちょい好き。
ギャンブルフード、徐々に納得させる。上手い。

・名前をあげるほどじゃないけど、1本のネタの間に1回ぐらいクスっと笑う組は東京より多かった。
・新喜劇や王将など、ローカルワード多め

2回戦のネタを数百組は見て、その結果決勝で思いも寄らない効果があった。

なんと、漫才が面白く感じるのだ。
笑いどころがひとつもない漫才を何度も何度も何度も何度も見てからだと、今までそんなに好きじゃなかったコンビのネタも面白いのだ。
決勝だけ見て「つまんねー」とか言っちゃう人におすすめ。

決勝も見ながらひとことメモ書いたので、一応全組書いてみよう。
正直言うとウエストランドとおいでやすこがについてだけ書きたいことがあった。

決勝

インディアンス

代わり映えしないけど、今までで一番笑ったかも。

東京ホテイソン

元々ツッコミの言い方だけで、ボケが弱過ぎると僕は思っていて。
それが今年はツッコミに不思議ワードを言わせる方向になって、少し伸びたなとは感じていた。
気に入ってるのか知らんけど、ふわふわクレープ→親ポムポムプリンは、昔の名残があってあんまりウケてないよなあと。
頭使わないようにって巨人さんの指摘だと、もっと死にそうだなと思う。

ニューヨーク

塙さんが言うように、彼ららしさとマイルドはこのぐらいの塩梅が良さそう。

見取り図

志らくさんの「喋りの漫才と動きの漫才がちょうどいい」ってのはそう。バランスよくなったね。

おいでやすこが

圧倒的だった。即席ユニットは予選から決勝までの分数が違うネタをどう作るのか気になっていたけど、2回戦と同じ歌をやりつつ決勝では色々伸びてて、でも時間はハマる。
この一本が完成されすぎてて……。

マヂカルラブリー

彼らのネタで印象に残ってるのはアザラシになってオーロラ見たやつ。
最初の「違うよ」がピークでどんどん下がっていった。審査員も同じこと言ってた。

オズワルド

好きなタイプのコンビなんだけど、彼らはこうじゃないと思う。
ただ「名前」を呼ぶ漫才はこれぐらい連呼して初めて成立するよなーと。意味なく名前呼んで「誰?」って思わせる時間がある漫才を書いてる若手に反省してもらいたい。

アキナ

女子高生が好きそう

錦鯉

なぜ決勝でそんなよくある題材のネタを……。それをやるならものすごく圧倒的に面白くないと勝てるわけない。
彼らに求められてたのは絶対にこのネタじゃないでしょ。

ウエストランド

2回戦ネタを見たあとこう書いた。

ウエストランド、悪くないんだけど「お前が社会を切るのかあ」ってどうしてもなっちゃう。嫌いじゃないのよ。」

決勝進出者はあえて知らないようにしていたので、決勝で姿を見た時「残ったのか!」と衝撃を受けた。
どんなネタをやってくれるのか少し期待していたが、前半は自虐、後半に風刺だった。
すごくがっかりした。
彼らは自虐漫才を何年かやっていたはずだ。しかし、それでは今まで決勝に進めて来なかったじゃないか。
今年決勝に進んだからには、それ以外の部分が評価されてのことのはず。
なのにどうして過去に戻ってしまったんだ。僕からすれば身の丈に合っていないとは感じたが、風刺一本で行くべきだった。
彼らは奇しくも最後の順番になってしまったが、そこまでの9組には風刺漫才はいなかった。ネタかぶりもせず、大きなチャンスがあったように思う。
それを失ったのがとても残念だった。

最終決戦

おいでやすこがの敗因

1ボケで行ってしまったこと。
最初乗りそこねたらもうついていけないこのスタイルはものすごく危うい。
1本目が色んな曲をぶつけて行く構成だったから、「次はどんな曲が来るんだろう」が一番期待されるところだった。
そして彼らのような勢いだけで上がってきた組は、1本目のネタの天丼を強く強く求められる。
去年のミルクボーイや、KOCのどぶろっくのように。
即席ユニットだからこそ、決勝に向けた対策をしたネタを作れたんじゃないかと思ってしまう。
でも即席ユニットだからこそ、決勝に行く想定がそもそも無かったのかもなあとも思う。
2本目の小田さんがっちがちに見えたし。

マヂカルラブリー

世間は漫才の定義で盛り上がってるらしいが、そんな話は彼らだけについてまわるものじゃないし、いまさらもいまさらだ。どうでもいい。
2回戦の総括でこう書いた。

・片方が動き回って片方マイク前でその状況をツッコむ漫才、ほとんどの組が似たようなワードで状況説明するだけで新鮮味も面白みも無い。

私はこのスタイルにあまり興味がない。ツッコミワードは彼らはしっかりしてるけどね。
2017年の決勝最下位と、今年。彼らは正直変わってるようには思えない。
じゃあ何が変わったのか。
見る側だ。

例えば、全く知らない赤の他人の変顔を見たところで笑えない。
でも、友達の変顔で笑う人は多いだろう。

それと同じで、見る側がマヂカルラブリーに慣れた。
だからあの突拍子もない動きが面白い。知ってる人の変な行動は面白い。
だから彼らのネタは、違う人がやると笑えなくなってしまう。
着実にこの3年間で知名度を上げた結果だろう。それを「自分は笑えなかった」からって意義を唱えたところで何の得にもならん。
その人を好きになれるかどうか。

蛇足

・「お笑い」は「好み」でしかない
M-1は「新しく好きになる組」を探す場、と思えば誰が優勝しても気にならない
・自分がどんなに嫌いでも、その人達のことを大好きな人もいる(真逆パターンもある
上記三点は、この数年の私のM-1の見方だ。
以下の文章は本当に蛇足。

フットボールアワーアンタッチャブルブラックマヨネーズチュートリアル、他にも数え切れないくらいM-1をきっかけで好きになった芸人がたくさんいた。
南海キャンディーズやオードリーのような、優勝せずとも彗星のごとく現れたコンビの登場もすごく刺激的だった。
笑い飯麒麟、千鳥、トータルテンボスと決勝常連たちにも、どんどん親近感を覚えていった。

振り返った時、自分の好みのネタは必ずしも「優勝者」ではなかった。
優勝のネタが好きな年もあるし、2位が好きだった年、7位ぐらいが好きだった年。
順位がどうであれ、心の中に好きな組が出来ていたことが一番の喜びだったように今となっては思える。

考えてみるとM-1で誰が優勝したところで、私には関係ない。
好きな組の優勝はその後の露出には関わってくるが、今この時代、その芸人を好きになったらだいたいYouTubeで他のネタが見れる。それで笑える。

だったらM-1グランプリというものを見るときに一番重視すべきなのは誰が優勝するかではなく、「自分の好みに合うのは誰なのか」を探すことなんじゃないか、とそういう考えに行き着いた。
ネタパレやにちようチャップリンを見るのと同じように、ただネタで笑いたい。誰かを新しく好きになりたい。
それだけでいいじゃないかと、近頃思うようになった。
THE MANZAIも同じように見てたし。

また、M-1の決勝進出者はどうもスタッフの意図が透けて感じる上に、
予選を配信してくれるようになったのだから、
もはや決勝よりも予選を見たほうが自分の好みにあった組を見つけられるんじゃないかと思って予選を見るようになった。

決勝は、好きなネタが優勝したら嬉しいし、そうでもなかったらまあそんなもの。
世の中すべてが自分の好みの通りに回るわけじゃない。
「お笑い」という曖昧なものに点数をつけること自体が意味ないんだから。
しかし、1年に1度の大会として注目を集めること自体にはとてつもない意味がある。

不満を持って踊らされるぐらいなら、気にせず笑うことで踊らされる方が楽しい。

上沼さん、点数のばらつきが極端。最高95点、最低92点て。3点差しか無いわけない。
過去は点差が激しすぎたし。色々と批判を受けるのもしんどい立場だとは思いますが、そのバランスを上手いこと取れないのはどうなんだろな。

2021年8月からの視点

ここに書いてることと反して、錦鯉とウエストランドの露出が増えたね。
やっぱり私はセンスないわー。