人様のコンテンツの話

記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。

キングオブコント2021を見た

tver.jp
ただただ感想。思ったこと。
見ながらメモしてたので、基本時系列そのまま書いてます。
ネタ前VTRは余計な情報なので見てません。ネタだけ見たい。
でも今回はネタ番組常連組がほぼほぼ占めていて、完全初見の組は無いのでだいたい芸風は知ってるところからのスタート。
これからネタが始まるかな?って7時11分頃にちょうどテレビつけたらネタが始まった。ので、審査員もネタ中に顔が映って知りました。

飯塚さん、小峠さん、秋山さん、山内さん。パッと見た感じ違和感なく妥当な人選かなって。
さまぁ~ず、バナナマンがいなくなったのは寂しいんだけど、コンビ二人が揃って審査は正直違うかなって。
でもここに設楽さん、大竹さんも残ってて欲しい気持ちが少しある。

一本目

蛙亭

まさかの出落ち。
全体的にくだらない(笑)
ちょっと、普段の蛙亭のイメージとは違うかなって。テレビの賞レースに向けて作って来たのかな。良いと思う。

ジェラードン

こちらは「くだらない」が真骨頂。
展開はなく、出落ちを貫いた。
ちょいちょいツッコミで笑えたんだけど、ほぼツッコまずに放置するという構成だったので私は物足りなかった。このネタにはそれが合ってたけど。
こちらもテレビウケ、若い子意識強めだろうか。

男性ブランコ

まさかの出落ち3連発。
今のトレンド「肯定」と、一度裏切ってからのオチ。
なるほどなー。

うるとらブギーズ

このネタテレビで以前やってたね。演芸館かな?
笑いこらえる演技うまいんだけど、ちょっと今回はこらえすぎてる感じがした。
「笑っちゃって言えなくなっちゃう」が大事なポイントだけど、アナウンス中そんなに笑っちゃって無い。
だから唐突に館内放送止めてるように見えた。

ニッポンの社長

繰り返し芸。
一度目で笑えなかったので、最後まで笑えなかった。一度目で笑えたら、最後まで笑える。振り切ったね。
これ、さまぁ~ずバナナマン想定のネタかもしれない。

そいつどいつ

最後笑いを取りに行くの捨てたのはどうした。オシャレに思われたかったのか。
そしてそのオチありきのネタなので、なんかなんとも言えない。
そいつどいつっぽさは見えてるんだけど、ほぼ動きだけで笑かしに来てるからあんまり。どっちかって言うと言動すべてで笑わせる印象があった。

ニューヨーク

「全部間違ってる」というただただよくあるやつ。
これをやるなら、何か「ニューヨークっぽさ」が必要だったのに最初から最後まで無かった。
かろうじて最後の10秒ぐらい、か。それも薄味。
中盤完全に間延び。

ザ・マミィ

ようやくまともに「コント」してて面白かったかな。
松本さんも「これぞコント」と、そうよね。
彼らに期待するところは、最後なんか裏切るとかそういうコントが見たくなっちゃう部分があるんだけど。
そこで最後歌ったあたりが一般向けにしたところ、かな?

空気階段

すげえ設定だな(笑)ゴールデンで裸になりたかっただけだろ(笑)って思わせる。
それなのに動きでもセリフでもしっかり笑わせる中身がある。すげえな。
空気階段らしいのに、今までネタ番組で見てきた空気階段じゃない。
ちゃんとキングオブコント用、賞レース用、テレビ用に合わせたネタを作ってきた凄さがあった。
5分の中で作りうる素晴らしいエンターテインメント。これを見たくてコントを見てるんだよね。

マヂカルラブリー

これはもうどうしようもない。空気階段のあれで完全に場が死んだ。
100組いたら99組はすべる時間になる。
そしてそもそもM-1とやってること一緒なのでどっちにしても何も無い。
松本さん「吊り革とあんまり変わらない」
その通りでーす。
「音楽の再放送」は望まれてるけど「笑いの再放送」はまだテレビでは望まれてないのよね。

決勝

男性ブランコ

「大の袋は5円じゃない」で笑いました。
ちょっと一本目とテイスト違いすぎる。
賞レース初出場組の基本は「二本のテイストを似せる」こと。
もしくは「自己紹介」となるネタをやること。
「女性ネタ」の次が「アレな男性」では、どう見ていいかわからなくなってしまう。
「女性ネタ」を被せるべき場所なんだけど、それをやると今後「女性ネタのコンビ」と認識される危険性はある。

ザ・マミィ

これ1本目だったら決勝残れなかっただろう。
ニューヨークと同じく、どこかで誰かがやってそうなよくあるネタ。
よくあるネタをやるなら、より強く「その組らしさ」を出す必要がある。
しかしマミィっぽさ皆無。客に寄せすぎた。
変なおじさんをやれって話ではないよ。

空気階段

まともなもぐらを1本目で見せてから、やばいもぐらを2本目に持ってくる。
2本合わせた構成も完璧だわ。
やばいけど、柔らかめ。ちょっと説明が多くて序盤笑いが少ないのだけ寂しいかなー。もうちょっと長い尺で見るネタなのかも。
ある種いつもの空気階段。だけどちょっとポップ。今までよりはちょっと笑いが多い。

終わってから振り返って

賞レースとネタ選び

全体的にお客さんがよく笑っていた。
こんなに空気が軽い賞レースも珍しい。
そして全体的に「自分たちらしさ」よりも「いつもと違うお客さんへ向けて」のネタが披露された印象を受けた。

これって賞レースが明確にそういう流れになってきてるってことだよね。
M-1キングオブコントも、「どういうネタをやるべきか」が芸人の間でほぼほぼ認識されてしまって、かなり形にもされてしまっていると。
もう「受験」と「受験生」だよね。「塾講師」も絶対そこかしこにいて。

もうちょっとそんな裏が透けて見えない形になって欲しいな。そんなバキバキに対策されたネタで勝てるのってやっぱりそれなりの力があるからこそで。大抵はどこかを間違えちゃう。それで変な空気になるのはもうお腹いっぱい。
「繰り返した方がいいネタ」なのに「展開」させちゃうとか。「展開させた方がいいネタ」なのに「繰り返しちゃう」とか。逆に行くのはすごくよく見る。そこを見極められるセンスが次に養うべきところなのかも。

さまぁ~ずとバナナマンが審査員の回数重ねるたびに「さまぁ~ずかバナナマンに刺さるネタ」を作ればそれで優勝出来てしまう状態だなって思ってた。
彼らの審査員コメントを聞いてれば完全に対策出来る状態になっていた。
基本繰り返しを好んでたからね彼ら全体が。

男性ブランコ2本目、ニューヨーク、ザ・マミィ2本目
この3ネタは、その「対策のドツボ」にハマった結果、個性を消してしまっていた。
「自分たちの色を出しすぎると賞レースではウケない」を背負いすぎてしまい、「らしさが消えて誰かがやってたようなネタ」になってしまった。もったいないね。

審査員

「歴代最高得点」とかで煽りたいから、これからも5人制なのかなー。
でも少なければ少ないほど審査員の好みが似たとき、得点に偏りが出る。
今回は秋山さんと山内さんが似てる上で高めだったから少し危うかった。あの二人に刺されば高得点になりかけた。
でも逆にあの二人が似ていたので、「小峠さんと飯塚さんに刺さったらさらに点が上がる」という状態に結果なっていた。
これはバナナマンとさまぁ~ずをコンビで配置してたときから起こっていた問題。

少なくとも所属事務所のバラつきが欲しい。
さらに言うなら出身地、芸風と芸歴も幅広く集まって欲しい。
今回出身地だけで言うと関東が飯塚さんだけなのは非常にバランス悪いように思う。まあ九州出身は関西感とはまた別なんだけども。

勝手に人選しよう。
松本さん、大竹さん、設楽さん、伊達さん、飯塚さん、秋山さん、小峠さん、じろうさん、山内さん
歴代関係者からだとこんな感じで!ちなみに内村さんはこういうのは絶対やらないです。
9人もいると審査に時間かかるから無いけど。
M-1の7人がギリギリなんでしょう。
じゃあシソンヌとかまいたちは最近のチャンピオン過ぎるかなーと思う。

私の好み

蛙亭
普段私が持つ印象と全然違うんだけど、でもやっぱりどこか蛙亭っぽい。
それが新鮮で、「こういうネタも出来るんだなー」って少しびっくりした。それが私的には良い方に作用してた。

・ザ・マミィ一本目
逆にこれはとても彼ららしかった。
これぐらいの塩梅で良かったんだよなー。
ネタ順も良くて、「いいネタやってるじゃん!」とすごく思った。

空気階段一本目
裸で出オチて、でも設定がちゃんとしてて、お話もちゃんとしてて、顔パンストというベタ中のベタもやって、デブが裸で床を這いずり回るとか謎のシーンに時間使ったりして、いやすごいよ。
どっちかって言うと「笑っちゃった」よりも「すげえな」という感想の方が強いのかもしれない。
空気階段とか実力はあるけど賞レース向きじゃないというイメージがあった中で、それを覆すネタを作り上げたことがただただすごい。
「らしさ」と「一般ウケ」の両立をここまで成し得るのは、他の組を見ると本当に大変なんだろう。
このネタは今まで見せてきた「空気階段らしく」は無いのかもしれない。でも「この二人がやってる」ことにすごく説得力が出てる。ここまでのものを作り上げると、それが彼ら「らしさ」になる。
一つの完璧な答えを出したと言っても過言じゃないね。

一本目は、ザ・マミィと空気階段が頭一つ抜けてたように感じた。

根底として私は「物語系」のコントが好きで、「誰かと誰かが出会って何かが巻き起こる」コントを求めている。
だから繰り返し系より展開系の方が好き。
でもそうじゃなくても笑うときは笑うし。笑えないときは笑えないし。
気分にもよるし。誰かが笑ってたらつられちゃうこともあるし。
お笑いは結局のところ評価出来るものじゃなくて、「好み」なんです!
でも世間に認めてもらうためには賞レースって大事で、そこで評価するには数字という基準が必要で。
数字があるから、数字を上げるためにどうするかって対策が生まれてるのかー。必然だね。
それで私も批評家気取りでこういうの書いちゃうと。

思いっきり笑える数分間が作られれば本当はそれだけで充分なのだけど。

余談

うるとらブギーズだけテレビで一度見たネタだったなー。
今回テレビのネタ番組常連組がほとんどな決勝だったけど、他はみんな新しいのやっててそれはとっても良かったなー。
とは言っても私も見てるネタ番組が多いわけじゃないので実際どこかでやってたのかもしれないけど。
若手のネタは賞レースとテレビで新鮮に見たいので、気になってもYouTubeとかは一切見に行きません。

やっぱり常に「新しいネタ」を見たいんだよね。
初めて見る人でも、何度も見た人でも「そんな笑いがあったんだ」って新鮮に笑いたい。

今回の記事は「らしさ」「~っぽさ」って連呼してきたけど、それもつまるところ「初めて見た切り口」のようなことで。
他の誰も手を付けてないような着眼点だったり、発想だったり。それは実際には新しいことをやってるんだけど、それがあとからついてきて「らしさ」って呼ばれるようになるもので。
「どこかで見たようなもの」は「らしさ」の真反対に位置するから、点数は伸びにくいです。

そういやユニット解禁って結局なんだったんだろうな……。準決勝までは残ったりしてたんかな?