人様のコンテンツの話

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Flare

火はやがて消える。
桜は散り、日は沈む。
すべては海へ。

すべて等しく。


アストンマーチャンを、引きました。

事前知識は、「カメラに映りたがる子」
昨日の告知時点では引く気はなかった。

ウマ娘ストーリーを4話読んで、引こうと思った。
その育ち故に、少し独特な死生観を持つ子。
それ故に、マスコットになりたいと願う子。

しかし育成を始めて、それすらもまだ彼女の表層に過ぎなかったと知る。

彼女は、トレーナーを必要としていなかった。
彼女は、一人で生きることに慣れていた。
そんな彼女を支え、認めてもらうには……。

以下、ネタバレを含みます

ここからは画像と共に振り返る。
ここまでは、特にスクリーンショットを撮る気もなかった。
しかし、あまりにも、あまりにも心が動いた。
気づけば、次々と撮っていた。
ここに彼女の記憶を残すためかのように。

しかし時折、読むことに必死で一番心に響いた場面を撮り忘れているのだった。

桜花賞

「春と仲良くなれない」
この話題はウマ娘特有の、元となった馬の不幸を感じさせる。
私は馬を知らないので、戦々恐々とした。
このときは見せかけで、ティアラ戦線を諦めるだけの話であった。

夏合宿


ヒシアマにたしなめられ、自分の死生観、そして他者の生き方、トレーナーと向き合うことを始める。

スプリンターズステークス

上手な絵が描けたとき。
それを報告する誰かがいなかった。
だから、自分と喜ぶようになった。
それが、アストンマーチャンの当たり前になった。

トレーナーは、そうは思っていない。
「マーちゃんが人生で一番上手な絵を描けたとき」

君が一番嬉しいときに、側にいて、同じ目線でものを見たい。
同じ目線で喜びたい。
そう出来ない時間がたくさんあるからこそ、出来る時間を大切にしたい。

再びの春

物語のテイストが少し変わる。
アストンマーチャンのことを、感知出来なくなる。
ブログのアクセス数が落ち込み。
バレンタインではクラスメイトに忘れられ。
感謝祭では不在を誰にも気づかれていない。

最後にはトレーナーさえも、その存在を忘れてしまう。
しかし、なんとか引き止めることに成功する。

人の記憶から消えてしまう。よくある物語。
人の記憶に残りたいと願うマーチャンにとっては、一番残酷なお話。

物足りなさ

このあとの描写を、私はもうちょっと掘り下げてほしかった。
それに関してマーチャンは受け入れることが出来ていた。ある種、達観していた。
トレーナーに覚えていてもらえたら安心。しかしそのトレーナーの記憶からさえも消えかかっていた。
それでは彼女の願いは叶わない。

しかしまた共に歩むと決めた。海に背を向け。
その後は、それ自体がなかったことのように、人気になってマスコットも発売され……。
と、かなりの急展開で事が成されて行き、まるで打ち切りマンガのように尻すぼみで終わってしまった印象を持った。

そこから共になにかに向けて頑張った感じも、マーチャンと距離を詰めたような感覚も私には無かった。
過去に描いていた4コママンガが書籍化。……そもそもトレーナーが4コママンガを描くという設定も感情移入するには突飛過ぎるような……。

何が言いたいかって、1育成エピソードじゃ彼女を知るには短すぎるよって!
もう2エピソードぐらい欲しい!しかしウマ娘は現状実装以上の物語を望めない!
未完のまま完結して終わってしまう。それがあまりに悲しい。
全員、まだまだ読みたい話があるのに。

ストーリーの6,7話、温泉旅行はまだ読んでいない。
だから、少しはその断片に触れることは出来るかもしれない。
しかしそれでももっと知りたいのだ。

『グッズは、ストーリーがあると愛される』


アストンマーチャンの話を読んでいると時折、彼女の指す「トレーナー」は私ではないように感じることがあった。
この話を書いたライターこそが、彼女のレンズであり、彼女の広報で。彼女のことを多くの人に知らしめる存在となった。
この物語を通して。
だからこそ、この「ありがとう」は、私に向けたものでは無いと思ってしまった。

ウオッカとスカーレットと同世代。
ならばこそ、ウマ娘としてなお知名度を上げた彼らに比べ、彼女の影はなおさら薄くなっていたことだろう。
その存在自体を知らない人にとっては、影の濃さなど知るすべもなく。
ただただ、いないと同じなのだ。
それがこうしてウマ娘となり、ゲームにてその生きた断片が語られる。
それだけで、過去の馬についても知る人がいる。私のように。
これはアストンマーチャンに限った話ではなく、ウマ娘のモデルとなった競走馬すべてに言える話で。
モデルとなっていない競走馬にも言える話で。

衣装


その、ニーハイに太ももが乗ってるのは相当なフェチを感じます……。
え!?なんか乗ってる気がするけど気のせい?と、しばらく確認に費やした。

余談

[Flare]
トレーナーがレンズならば、レンズフレアともかかっているだろう。
そもそも名前の前に付く二つ名のようなものって、呼称はあるのだろうか。
「勝負服名」とも呼んでいる人もいるようだ。
たしかに衣装ごとに変わるのだから、それもそうだ。
フレアスカート
白と赤の衣装はまるでロウソクに灯った火のようでもあり。
様々な意味合いを持たせているのは、他のウマ娘からも明らかだろう。

全然関係ないものとの関連付けはしないのがポリシー。
しかし、マーチャンのシナリオを読み進めるほどに、それは無理だった。

誰にも覚えていてはもらえないかもしれない命。
生まれては、消えていく。
人知れず、多くの命が別れ行く。

だから、覚えていてもらうために燃える。
忘れても、たしかにここにいた、と。
ここにいる、と。

それぞれが、それぞれだけの人生を背負って生きている。
生きていた。
窓の数だけ、人はいる。
窓の中では、灯りが揺れる。

こじつけ罪。
一番嬉しいときに側にいるとかいないとか、その辺でR.I.P.や宇宙飛行士~を思い出してしまってより私の中で色濃くなってしまった。
あまりこういうことはしたくない。したくないが、抑えられなかった。
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